静原 田の虫送り

 









静原では、毎年7月14日に”田の虫送り”という行事が行われています。

元々は、洛北地域一帯にありましたが、今でも行われている所は数少なくなっています。

田んぼの無事の収穫を願い、松明の火で稲に付く虫達を追い払うという神事。

元々は成人男性によって行われていたそうですが

人口減少に伴い、現在は子供達が中心になって行うお祭りとして、継承しているそうです。

松明も子供達と地域の皆さんで作られています。


暗闇の中に炎の灯りがゆらりゆらりと連なっていく様子は

幽玄で、どこか懐かしさも感じられる、幻想的な景色。

火の粉が道にきらきらと燻るのも綺麗で、松明が燃える匂いも不思議と落ち着きます。


今回、静市のかぜのメンバーもお誘い頂き、参加させて頂きました。













静原神社を出発して、川沿いに集落の奥へ向かい、折り返して、御旅所まで歩きます。

小さな子達も、重たい竹を一生懸命持って

途中火が消えると、お互いに火を分け合って、最後まで歩きました。

太鼓と鐘の音に合わせて、「送れ送れ、田の虫送れ」と声をあげながら。












消防団員の方々が見守る中、大勢の方が参加されていて、

静原の方々が一つになって、この虫送りの行事を大切に守られているのを感じました。

市原の子供達にも快く松明を持たせて下さり、

道沿いのお家の方々もみなさんご挨拶してくれたりと、

温かな雰囲気と灯りに包まれた夜となりました。



田の虫送りに使う松明用の真竹を市原の個人宅に毎年採りに来られているということで

事前に拝見させて頂きました。











静原には真竹があまりないそうで、ここ10年程は市原の真竹が使われているんだそうです。

こうして、自分たちの知らないところでも

市原と静原は繋がっているんだと改めて感じました。

元々は同じ集落だった、静市という地域。

これからも、相互によりよく関わっていけることを願いながら

静市のかぜを、みなさんと共に盛り上げていきたいと思います。